まさに2021年Web3の夜明けが到来したと感じています。GemeStop Corporation社の株価が一気に上がりヘッジファンドをRobinhooderが打ち倒したと報じられたニュースが飛び込んできた2021年1月28日。丁度その日に当社Fracton Venturesが立ち上がりました。
Web3のムーブメントを世界で起こしていくプレーヤーが必要であろうとの危機意識をもつ中で、このテーマに取り組む為に会社として設立を行っています。
Web3はミッション・ドリブンな分野です。特に重要なキーワードはオープンとフェアの2つであろうと考えます。
オープンはソースコードのオープンソースにはじまり、開発者やプロダクトを支える一歩進んだユーザーをも総称する言葉”コミュニティ”への参加の間口など多岐に渡ります。
同様にフェアは原則的に世界の誰でもがサービスを享受できること、また特別な利害関係者などが少ないなどのことが求められます。
いずれもプラットフォーマー型のビジネスを行う中であればユーザー側の求める優先順位は必ずしもトップにはならないものであろうと思いますし、むしろユーザー側はいかに便利に使えるかという視点だけを求めれば良いようにも感じます。
H3 Web3の社会への浸透 それでは、このWeb3社会はいつ・どのような形で成立し浸透していくのでしょうか。以下の4つの視点で見解をまとめてみることにします。
Web3サービスは、どの既存領域とも密接に関係することが予想されますが、既存ビジネス上のカニバリズムを恐れると既存の大手プラットフォームプレーヤーは軒並みディスラプトされるサービスと類似したサービスを自社で行えないように思います。
これは既にイノベーションのジレンマという言葉で表現がされているものと同様です。ただ唯一、一部のWeb3マインドを共有する企業群は既に取り組みを進めているようにも見えています。
例えばTwitter社が進めていると噂されるソーシャルネットワークサービスのオープンソース化である。
株式公開している会社が自社プロダクトの中核をオープンソースにするなど前例がほぼなく、これがもし実現されていくとなれば同社は収益モデルも0ベースで作り変えていくことになるでしょう。
このような場合を除きWeb3領域の最初期はミッション・ドリブンなWeb3のスタートアップやエンジニアがプロジェクトベースのような形で取り組んでいくことが想定されています。
変化は想像以上に早く訪れると見ています。 昨年クリプトマーケットでは分散型金融(Decentralized Finance、通称DeFi)が話題となっていました。
これはスマートコントラクトと呼ばれる自動執行のコードを介してパブリックブロックチェーン上に金融サービスを構築する試みですが、この中で2020年秋口に世界最大手の暗号資産取引所Coinbaseの取引高を越えた、Uniswapが生まれたことは非常に特筆すべき出来事でしょう。
Uniswapはハッカソンでアイデアをピッチしたことから始まったプロジェクトで若干10名以下の組織で、世界最大手の暗号資産取引所に太刀打ちするような取引量を誇るオープンソースのプロダクトを作り上げました。
この機能全てを完全にコードのみで表現・実現したUniswapのアイデアは一つの大きなイノベーションであり、オペレーションコストに悩む現在の金融サービスに対して大きなディスラプターとなり得る存在であることは言うまでもないでしょう。
Web3のプロダクトではビジネスモデルも大きく変わることが想定されています。
②でご紹介をしたUniswapは開発した企業は現在のところ、手数料収益を一切受け取っていません。どうしてそのようなことが可能なのでしょうか。
同開発チームは、今後のプロダクトの改良に必要な提案と投票の権利一切をガバナンストークンという形でアーリーアダプターとして利用していたユーザーに配布することで、一部自らの手元から手放すことを選択しています。
このトークンは配布後4年かけて権利確定されていくものとして発行されていることが特徴的です。 同じプロダクトを共に権利者として保持するための共通単位としての”ガバナンストークン”の可能性を大きく示してくれる事例となっています。 このようにWeb3領域のビジネスは、複数の企業や個人が、共に同じプロダクトを育てていくことになるような、そんなモデルが実現するのではないでしょうか。
当社Fracton VenturesはWeb3の社会実現をミッションに、世界で戦っていくミッション・ドリブンかつタフな戦いを覚悟したチームとして2021年1月に立ち上がりました。
Web3の世界での競争原理は、今までMBAのビジネスモデルなどで教わることができたようなこととは全く違う論理であり、競争よりも共創により、より大きなサービスの一部として取り込まれていくことが重要になります。
主にDeFiの世界などではこのことをコンポ−サビリティと呼ばれています。
このようにプロダクトはそれ自体で完成形ではなく、一種のプロトコルとしてエコシステムの一部になる最適化が極めて重要な共創原理なのだと考えています。
a16z Cryptoが昨年開催し、オンラインで資料を公開した、初のクリプトスタートアップを対象にした教育スクール”Crypto School”でも同様の見解が示されており、彼らはそれをネットワークエフェクトだと称していたことにも触れておきます。
ただ共創が鍵を握るエコシステムだからといって、決して競争がない訳ではありません。Web3は世界的なムーブメントであり、それほど国ごとの特殊性を受けない分野です。
つまり競争はDAY1から世界で戦う覚悟があるか、世界のエコシステムの一部となるプロダクト/プロトコルを作る気があるのか、その問いが求められています。
それ故、現状誰でもがチャレンジできている訳ではありまえん。日本でNo.1を取ってから世界と戦う、従来の競争環境でのロジックでは既に遅れを取るのは明白です。
その点では、むしろWeb3領域でのプロダクト開発は熾烈な競争環境にいるとも言えるでしょう。
最後にこのWeb3のエコシステムは、他の選択肢をもった次の社会には必ず必要なことであると考えており、この一部を”支援”するのではなく自ら”貢献”(コミットメント)していくことが何より重要と当社では考えています。
当社はWeb3領域の日本での知見牽引とNo.1コミッターとしての働きを強めていくことを事業の軸としていきます。Web3の未来を切り開きたい、共に同じ選択肢のある社会を作りたい方はぜひ一度当社にご相談ください。